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乱読のかけら (2024年8月​)

アリストテレス・ニコマコス倫理学、インストール、海と毒薬、トイレは小説より奇なり、カール・バルト、愛するということ 乱読のかけら (2024年8月​) アリストテレス・ニコマコス倫理学 山本芳久 NHKテキスト(2023年10月号) 私が死ぬまでに学びたい哲学がアリストテレスの「ニコマコス倫理学」とホッブズの「リヴァイアサン」です。このテキストは「ニコマコス倫理学」の優れた入門書で、その概要、西洋哲学に置ける位置がよく分かりました。今度はぜひ「ニコマコス倫理学」を読んでみたいと思います。 インストール 綿矢りさ 河出文庫(2005年10月20日発行・初版) 文藝賞受賞作だそうです。少しもおもしろくない内容でした。どこに賞を取るほどのよさがあるのでしょうか。受賞した2001年時点では審査員たちがパソコンを使いこなしておらず、ネットのなりすましも社会問題になっていなかったので、きっと斬新な設定に見えたのかもしれません。 海と毒薬 遠藤周作 新潮文庫(2008年6月5日発行) 遠藤周作は日本人とキリスト教の関係を考え、様々な小説を書いた人ですが、この本はキリスト教的な部分がほとんどなく、私に近親憎悪感をほとんど抱かせない内容でした。戦時中に九州の大学で行われた白人の捕虜の人体解剖という恐ろしいテーマを描いた不気味な小説です。 トイレは小説より奇なり 酒井順子 集英社文庫(1997年9月25日発行・初版) 私が子どもの頃の日本の公衆便所は大概臭くて汚いものと相場が決まっていましたが、それがだんだんと清潔になり、トイレと呼ばれるようになり、街で立ち小便をする人の姿も見かけなくなりました。日本だからこそこのようなエッセイが書かれ、出版され、読む人がいるのだと思います。 カール・バルト カール・クービッシュ 新教出版社(2011年4月8日発行) 宮田光雄・村松恵二訳 とても読みにくいカール・バルトの伝記でした。カール・バルトの神学に遅ればせながら興味を持ち、去年11月に一時帰国した時に数冊購入した内の1冊です。登場人物が多すぎで、誰が誰なのか分からず、バルト神学の真髄にはなかなか辿り着けず、完全にお手上げ状態でした。 愛するということ エーリッヒ・フロム 紀伊國屋書店(2019年2月27日発行) 愛という言葉の意味の範囲が日本語と欧米語とは違うので、著者の書く概念を正しく理解するのは難しいように思いました。しかし翻訳は美しい日本語で書かれているので、愛の技術を身につけ、実践しようと思ってしまうほど、読んでいてモチベーションが上がる本でもあります。 翻訳&通訳なら桜コンサルタント社にお任せ! Tel: +603-5638 3001 info@sakura.net.my http://www.sakura.net.my

乱読のかけら (2024年7月​)

城をとる話、田中角栄の超人材育成術、かつどん協議会、人生を変える『大人』のアジアひとり旅、本朝金瓶梅・お伊勢篇、センセイの鞄 乱読のかけら (2024年7月​) 城をとる話 司馬遼太郎 光文社文庫(2005年9月20日発行) 石原裕次郎のために司馬遼太郎が書き、映画化された小説です。ぜひ映画を見てみたいと思いますが、夜の闇のシーンが多いので、映画としては見にくいように思います。ストーリーは荒唐無稽なところもあっておもしろいのですが、結末が史実に制約されてしまっているのが残念です。 田中角栄の超人材育成術 小林吉弥 講談社+α文庫(2005年10月4日発行) 内容はタイトルとは違い、昭和の後半と平成の前半の政治家の人物評です。その中でも田中角栄については多くの紙数が割かれていて、著者が田中角栄に心酔していたことがよくわかります。もし田中角栄が本当にこの本に書かれたような人なら、日本を代表する聖人ではないでしょうか。 かつどん協議会 原宏一 集英社文庫(2009年1月25日発行・初版) 30年前の日本を風刺した3つの短編集です。この著者は井上ひさしの再来ではないかと思いました。「かつどん協議会」「くじびき翁」「謝罪士」どれも、時代の常識に疑問を投げかけ、奇想天外な解決方法を提示しているのが、当時の日本を外から眺めていた私にはとてもおもしろいです。 人生を変える『大人』のアジアひとり旅 荒木左地男 双葉文庫(2014年11月16日発行・初版) 私自身20代の後半にバックパックでアジアを旅行しました。特に1988年に中国を1人で2ヶ月間旅行した時には、この本に書かれているように、多くの旅人たちとの出会いがありました。今の私にはこういう旅は無理ですが、30代、40代の人はぜひチャレンジして欲しいです。 本朝金瓶梅・お伊勢篇 林真理子 文春文庫(2010年7月10日発行・初版) はっきり言ってこの本はポルノ小説です。でも林真理子が書くと読み応えのある文学になってしまうのが不思議です。江戸時代の金持ちのプレイボーイと妾たちの心の駆け引きが絶妙に描かれていて、セックスという視点からの人間や生活の描き方の点で、最高の小説だと思いました。 センセイの鞄 川上弘美 文春文庫(2004年9月10日発行・初版) 谷崎潤一郎賞を受賞した名作とのことですが、あまり視聴率の上がらないテレビドラマのシナリオのようでした。というのは映像にすると、おばさんとおじいさんが主人公なので、味は出せても、美男美女の恋愛、美女に恋する醜男あるいはその逆ではないので、つまらないと思います。 翻訳&通訳なら桜コンサルタント社にお任せ! Tel: +603-5638 3001 info@sakura.net.my http://www.sakura.net.my

乱読のかけら (2024年6月​)

いい経営理念が会社を変える、生きて死ぬ智慧、道ありき、朝湯、昼酒、ローカル線、クジラアタマの王様、天使は奇跡を希う 乱読のかけら (2024年6月​) いい経営理念が会社を変える 坂本光司 ラグーナ出版 (2018年3月18日発行・初版) 著者の坂本・法政大学教授の教え子の皆さんが弊社を訪問した時にいただきました。理論の本かと思いましたが、日本全国・56社の取材記でした。弊社のお客さんもその中にあり、その会社が「日本で一番大切にしたい会社」にこの本をきっかけに選ばれたことを知り、感激しました。 生きて死ぬ智慧 柳澤桂子 小学館 (2005年7月20日発行) 般若心経の原文、日本語訳、英語訳です。クリスチャンの私ですが、親の法事に行くと、般若心経をお寺で読むので、内容には興味を持っていました。お寺では意味が分かりませんでしたが、この本を読んで、旧約聖書のコヘレトの言葉に出てくるようなことが書かれていると思いました。 道ありき 三浦綾子 新潮文庫 (2017年11月20日発行) 三浦綾子の結婚までの若い頃を描いた小説です。著者がクリスチャンになっていく道のりには、神様の導きを感じました。結核で長い間療養し、恋人も結核で失いながら、結婚にまでたどり着いた人生には驚かされます。しかしなぜこれほど著者が多くの男性にモテたのかが不思議です。 朝湯、昼酒、ローカル線 勝谷誠彦 文春文庫 (2007年12月10日発行・初版) 20年ほど前の日本の各地への鉄道旅行の紀行文です。取り上げられた22地域の内、6地域は行ったことがありますが、私も鉄ちゃんの端くれとして、それ以外の地域にもぜひ行ってみたいと思いました。列車は移動の手段ではありますが、乗ること自体が楽しいものだと思います。 クジラアタマの王様 伊坂幸太郎 新潮文庫 (2022年7月1日発行・初版) 夢の世界で起こったことで、現実が左右されるという現象をメインにしながら、新型インフルエンザの流行による社会問題などを取り入れて、壮大ですが普通の人の視点で展開する物語に好感がもてました。実は新型コロナの発生以前に書かれたと知り、著者の予知能力に驚いています。 天使は奇跡を希う 七月隆文 文春文庫 (2017年6月10日発行) 天と地というより、あの世とこの世の接点のようなところから始まる物語です。初めの方は軽い学園物語かと思いましたが、実は死んだ人の蘇りのために天使が活躍する物語だとわかると急に面白くなってきました。ティーンエージャーだけでなく、60歳を過ぎた私にも楽しめました。 翻訳&通訳なら桜コンサルタント社にお任せ! Tel: +603-5638 3001 info@sakura.net.my http://www.sakura.net.my

乱読のかけら (2024年5月​)

犯人のいない殺人の夜、日本詣で、おやじがき、英語の発音と綴り、カール・バルト入門、1日1分見るだけで目がよくなる28のすごい写真 乱読のかけら (2024年5月​) 犯人のいない殺人の夜 東野圭吾 光文社文庫(2010年1月15日発行) 短編小説集ですが、どれも面白いし、読者の推理をきちんと裏切ってくれる展開で、読みがいがあります。設定が奇想天外、荒唐無稽というわけではないのに、短編でもちゃんとミステリーになっているのが、天才・東野圭吾の所以と思います。7編の中では表題作が1番面白かったです。 日本詣で 嵐山光三郎 集英社文庫(2005年9月25日発行・初版) 各県と東京23区ごとに書かれたエッセイというか紀行文はそれぞれに味があり、昔の日本を懐かしむことができます。私もいつか、各地を旅して、いろいろな人や物と出会ってみたいものだと思いました。多くの人がSNSで旅情報を発信している今とは違った古き良き時代の1冊です。 おやじがき 内藤句子 講談社文庫(2012年2月15日発行・初版) よくもここまでオヤジを観察し、特徴を掴んだ絵を描き、かつ文章で説明したものだと感心しました。悪意は感じられませんが、著者の趣味の悪さを感じます。おならの匂いを嗅いだり、ゴミを漁るのが趣味、臭くて汚いトイレのレポートをSNSに載せる人と同じ系統の人だと思います。 英語の発音と綴り 大名力 中公新書(2023年10月25日発行・初版) 去年11月の一時帰国の時に、私の興味ドンピシャのタイトルに惹かれて買ったのですが、内容があまりにも具体的すぎて、読んでいてうんざりしてしまいました。どうにか、最後まで読み通しましたが、「英語の発音と綴りに関する知識が増大したとは感じられない」が読後感でした。 カール・バルト入門 上田光正 日本キリスト教団出版局(2023年7月24日発行・初版) これほどわかりやすくカール・バルトの神学を語った本はありません。カール・バルトを理解するにはこの1冊で十分とは言えませんが、入門としては素晴らしいと思います。40年間、カール・バルトの神学を追いかけてきて、初めて、日本人の専門家に出会ったように思いました。 1日1分見るだけで目がよくなる28のすごい写真 林田康隆 アスコム(2017年5月17日発行) この本の写真を見ても目はよくなりませんでした。歳をとりすぎているのかもしれません。ぜひ若い人は試してみてください。でも老眼にも効くとの謳い文句なので、高齢の人でも効果がある可能性もあります。眼科の専門の先生が書いた本なので、まんざら嘘ではないと思います。 翻訳&通訳なら桜コンサルタント社にお任せ! Tel: +603-5638 3001 info@sakura.net.my http://www.sakura.net.my

乱読のかけら (2024年4月​)

上司と親は選べない、伊勢物語、恋の花、白蓮事件、そうだったのか現代史、あの日にドライブ、給食のおにいさん 乱読のかけら (2024年4月​) 上司と親は選べない 斎藤茂太 ぶんか文庫(2008年5月20日発行・初版) 30年近く前の1995年に発行された単行本が文庫化されたものですが、現在でも全く通用する内容です。著者は精神科の医師で、医師の視点から世の中を見ており、最近YouTubeなどで盛んにこの手の処世術を発信している人たちの先駆けのような役割を果した人だと思いました。 伊勢物語 川上弘美訳 河出文庫(2023年10月20日発行・初版) 伊勢物語の原文は高校生の頃に小学館の古典文学全集で苦労して読んだ記憶があります。この本のように現代語で、あっさりと訳されていると、実に親しみを持って、伊勢物語を楽しむことができます。できることなら私も死ぬ前に、和歌をやりとりする擬似恋愛でもしてみたいものです。 恋の花、白蓮事件 永畑道子 文集文庫(2014年8月1日発行) NHKの朝ドラの「花子とアン」で仲間由紀恵の演じた白蓮と吉田鋼太郎の夫の姿があまりにも強烈だったので、テレビとは少し違った2人の様子に戸惑いながら読みました。明治の時代、華族制度や姦通罪など、今とは全く違った環境下での白蓮の大胆な生き方にはハラハラさせられます。 そうだったのか現代史 池上彰 集英社文庫(2011年6月6日発行) この本で取り上げている歴史が私の生きてきた時代と重なっていて、改めて、「そうだったのか」と感じさせられる部分が多く、自分の人生のとてもよい振り返りになりました。きっと若い人たちにもウクライナやパレスチナの紛争も実はそうだったのかと思う日が来ると思います。 あの日にドライブ 荻原浩 光文社文庫(2020年9月30日発行) この本を読むと銀行で働いている人が気の毒になります。20年ほど前が舞台になっていますが、今でも銀行には嫌な体質があるかもしれません。20年ほど前、知り合いの銀行の人が後輩たちと飲みに行っているところに遭遇し、あまりに偉そうにしていたことに驚いたのを思い出しました。 給食のおにいさん 遠藤彩見 幻冬舎文庫(2013年10月10日発行・初版) 小学校の給食室に、事業に失敗した若いフランス料理のシェフが就職し、様々な問題に直面しながら、給食のおにいさんとして成長していく物語です。昭和40年代に給食が嫌いだった私には給食の美味しさや素晴らしさはあまりぴんと来ませんでした。今の給食は美味しそうですが。 翻訳&通訳なら桜コンサルタント社にお任せ! Tel: +603-5638 3001 info@sakura.net.my http://www.sakura.net.my

乱読のかけら (2024年3月​)

世界でいちばん透きとおった物語、ギブ・ミー・ア・チャンス、わたしが・棄てた・女、ベートーヴェン捏造、ことばと思考、雑談の一流、二流、三流 乱読のかけら (2024年3月​) 世界でいちばん透きとおった物語 杉井光 新潮文庫(2023年11月15日発行) 「世界でいちばん透きとおった物語」を文字通り期待した私が間違っていました。著者は読者を騙そうとしたのではないと思いますが、ここに書かれていたのは、純愛でもなんでもなく、小説家と編集者のやり取りを中心とした、著者にとっては調べたり勉強しなくても書ける物語でした。 ギブ・ミー・ア・チャンス 荻原浩 文春文庫(2018年10月10日発行・初版) 私が小説をおもしろいと感じた時に思うことは、終わって欲しくない、もっと続けて読みたい、ですが、この短編集にはもっと読みたいと思わせるストーリーがたくさんあり、やはり荻原浩はすごいと思いました。その中でも「押入れの国の王女様」の笑いには共感してしまいました。 わたしが・棄てた・女 遠藤周作 講談社文庫(2012年12月15日発行・初版) 以前の遠藤周作のエッセイで「白痴」という映画の白痴の女と男の運命的な愛について読んだことがありますが、この小説のモチーフはまさに「白痴」と同じだと思いました。カトリック作家の遠藤周作は男女の切っても切れない関係を、神と人との関係になぞっているのかもしれません。 ベートーヴェン捏造 かげはら史帆 河出文庫(2023年11月20日発行・初版) ベートーヴェンの姿が捏造された、と怒り狂う人々の系譜につながる現代のノンフィクション作家の著作です。私には、どうでもいい、暴いたことで誰の得になるのか、と思うのですが、時間と労力を使っても、真実を明らかにしたいという人がこの世にはたくさんいるようです。 ことばと思考 今井むつみ 岩波新書(2023年10月5日発行) 私の興味のドツボにハマる本なのですが、事例があまりに微に入り細に入りで、読んでいて疲れてきてしまいました。特に全く聞いたことのないマイナーな言語の語彙を説明に使われると、ちょっとお手上げという感じでした。でも言葉が思考に大きく影響を与えることは確認できました。 雑談の一流、二流、三流 桐生稔 アスカ(2020年7月26日発行) 私が思っていることを整理し、図式化、文章化してくれた本という感じがしました。ただいざ雑談を楽しみ始めてしまうと、この人のいう三流の人間の言うようなことを結構話している自分に気づきます。いつも一流の雑談をしようとすると、雑談の楽しみがなくなってしまうと思います。 翻訳&通訳なら桜コンサルタント社にお任せ! Tel: +603-5638 3001 info@sakura.net.my http://www.sakura.net.my

乱読のかけら (2024年2月​)

新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか、聖書がわかれば世界が見える、「中流危機」NHKスペシャル、君は、こんなワクワクす 乱読のかけら (2024年2月​) 新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか 加藤隆 大修館書店(2009年9月1日発行) 新約聖書がギリシア語で書かれた理由は、この本全体の10分の1くらいのスペースにしか書かれておらず、マルコによる福音書の説明とその存在に意義についての議論が中心になっていました。しかしこのような原典研究はクリスチャンの信仰を失わせる危険性があるように思いました。 聖書がわかれば世界が見える 池上彰 SB新書(2023年2月7日発行発行) この本は聖書の内容によって、現代社会の事象を解説する本だと思って買ったのですが、実は聖書とキリスト教史の入門書で、それもノンクリスチャンの著者が教科書的な解説を繰り返しているだけなので、40年以上クリスチャンをやっている私には何も得ることのできない本でした。 「中流危機」NHKスペシャル 取材班 講談社現代新書(2023年10月18日発行) 日本の現代の悲惨な状況を数字を用いて説明しています。この本を読めば、日本の現実と将来に絶望するしかありません。最後に処方箋として外国の事例が紹介されていますが、それが日本で適用できるかと考えると、おそらく無理で、取ってつけたような将来展望になっています。 君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!? 田村耕太郎 朝日文庫(2023年11月30日発行・初版) 著者の自慢本でした。こういう風に生きられる人はほとんどいないし、あまりにも特殊で例外的なことばかりで、多くの若者が著者の提案を選択したくても、できないと思います。それよりもワクワクする世界を特別なことをやらずに見られる生き方を指南して欲しかったです。 裁判官の爆笑お言葉集 長嶺超輝 GS幻冬舎新書(2023年5月20日発行) 日本の裁判官の発言で「爆笑」するようなものが集まられているとのタイトルですが、「爆笑」できるような事例はほぼゼロでした。だいたい裁判官が「爆笑」を誘うようなことを法廷で発言するはずもなく、この本には「お涙ちょうだい」発言が多く、タイトルを変えるべきと思います。 女帝 小池百合子 石井妙子 文春文庫(2023年11月20日発行・初版) この著者の正義感はすごい、といいましょうか、どこまでも小池百合子が憎い、と言うことなのでしょうか、よくここまで暴いたなあ、と思いました。仮にこの本で書かれたことが全て真実でも、それが多くの人には影響がないので、小池批判で飯を食うのはこれくらいにすべきと思います。 翻訳&通訳なら桜コンサルタント社にお任せ! Tel: +603-5638 3001 info@sakura.net.my http://www.sakura.net.my

乱読のかけら (2024年1月​)

嵐吹く時も、民王、ミッドナイト・バス、科学がつきとめた『運のいい人』、9割が間違っている『たんぱく質』の摂り方、大常識 乱読のかけら (2024年1月​) 嵐吹く時も 三浦綾子 新潮文庫(2022年4月1日発行・初版) 北海道の人々の人生が描かれた三浦綾子の長編小説です。厳しい時代状況と自然の中で生きる北海道の素朴な人々のもとに、外からやってくる人々が新しいモノや、自由民権やキリスト教などの新しい思想をもたらし、大きな影響を与え、人々が変わっていく様子が克明に描かれています。 民王 池井戸潤 文春文庫(2015年6月20日発行) テレビドラマで先に見てしまったので、出演者のイメージで読んでしまいましたが、原作はテレビ以上に面白いと思いました。日本の政治小説にしては韓流ドラマのような荒唐無稽さがあり、ユーモアのセンスにも溢れていて、どこかにいたような政治家が登場してくるのが面白いです。 ミッドナイト・バス 伊吹有喜 文芸春秋(2014年2月25日発行) 主人公が新潟のバス会社に務める中年の運転手という地味な設定で、描かれる出来事も意外性がなく、ごく普通の物語が語られています。丁寧な筆致で、心を温かくするような表現が多く、ついつい読み進めてしまいました。しかし小説はもう少し壮大、波乱万丈の方がいいと思います。 科学がつきとめた『運のいい人』 中野信子 サンマーク出版(2023年10月15日発行) 「運のいい人」を科学的に説明する本ですが、結論としては、倫理というか生き方が人の運をよくすると書かれているように思いました。この本には、運を科学の力で作り出す方法は書かれておらず、運のいい人の行動と思考はこうだから、それに倣えば、運がよくなると説明しています。 9割が間違っている『たんぱく質』の摂り方 金津里佳 青春新書(2023年10月20日発行) 今まで健康やダイエットによいとされてきた方法が間違っていて、本当はこうするべきだという、よくあるダイエット本の1つです。にわかにこの本に書かれたことの全てを信じろと言われても、なかなか信じられません。特に被験データが少ないので、信憑性に欠け、信じ難いです。 大常識 百田尚樹 新潮新書(2023年11月20日発行・初版) この本に書かれたほとんどがもっともであると思います。おそらく多くの人もそう思うと思います。そしてできれば、それらの問題に関与している人たちが、問題の1つ1つを吟味し、検討して、改善してくれることを望みます。皆が納得する常識がこの世界に広まることを願います。 翻訳&通訳なら桜コンサルタント社にお任せ! Tel: +603-5638 3001 info@sakura.net.my http://www.sakura.net.my

乱読のかけら (2023年12月​)

影法師、金正日が愛した女、ブルータスの心臓、地下鉄の友、極小農園日記、嘘つきアーニャの真っ赤な真実 乱読のかけら (2023年12月​) 影法師 百田尚樹 講談社文庫(2013年12月5日発行) テレビドラマのシナリオのような時代小説です。構成がきちんとしていて、少しずつ真相が見えてくるところが王道を行っています。ただ哲学や思想、信念というものがこの小説の裏にあるかというと、それはほとんど感じられず、あくまでもエンターテイメント小説だと思います。 金正日が愛した女 落合信彦 ハルキ文庫(2011年10月18日発行・初版) ノンフィクションのような小説です。金日成はもともと別人が成り済ましたことは歴史的事実のようですが、金正日も影武者がある時から演じていたとの設定を軸にして、実際に北朝鮮で起こった歴史を書いているので、小説全体が事実のように読めてしまうのがすごいです。 ブルータスの心臓 東野圭吾 光文社文庫(2009年6月20日発行) 何度も想像を裏切られる複雑な構成は、さすが東野圭吾です。しかし人物の性格にはかなり極端な設定があり、韓流ドラマの荒唐無稽な人物設定の先駆けのように思いました。金持ち、特に娘が威張り腐っていて、傲慢で、社員が奴隷のように卑屈な状況は日本にあるのでしょうか。 地下鉄の友 泉麻人 講談社文庫(1995年4月14日発行) 私がまだ日本を出る前の40年近く前の電車の中の様子が描かれています。私も国鉄で神戸の摂津本山から三ノ宮まで通勤していたので、通勤電車で感じたことと同じようなことが描かれていると思いました。今は乗客のほとんどがスマホで時間を潰しているのだと思います。 極小農園日記 荻原浩 毎日文庫(2021年4月30日発行・初版) 私は荻原浩の小説のファンですので、このエッセイ集も買って読んでみました。期待した通り、小文に書かれた内容は読んでいて気分がよくなります。小さな庭に色々な野菜を植えて、世話をする作者の心の動きについつい共感してしまいます。私も極小農園が欲しくなりました。 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 米原万里 角川文庫(2012年5月10日発行) 帰国子女の書いた体験談風小説です。冷戦中の東欧に日本共産党から出向していた党員の娘の話で、共通語がロシア語という特殊な状況設定ですが、私にはとても親しみやすい物語でした。今はあまりにグローバル化されすぎて、海外に住む意外性は半減したように思います。 翻訳&通訳なら桜コンサルタント社にお任せ! Tel: +603-5638 3001 info@sakura.net.my http://www.sakura.net.my