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ザビエルの夢を紡ぐ、悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト、合理的な神秘主義、未来の人

乱読のかけら (2021年11月​)

ザビエルの夢を紡ぐ

郭南燕

平凡社
(2018年3月26日発行・初版)
外国人の宣教師が書いた日本語の文章について、中国人の女性研究者が研究をした本です。外国人が日本語で文章を書くことは、あまり行われて来なかったと思っていましたが、キリスト教、特にカトリックの宣教師たちが、日本語での執筆に積極的に挑戦していたことがわかりました。

悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト

浦久俊彦

新潮新書
(2018年7月20日発行・初版)
パガニーニの伝記です。実に巧みな書き方で、音楽好きの好奇心を満足させてくれます。もしタイトルが「悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト」でなく、かつ新書の厚さを確保するために付け足したとしか思えない、後日談やスピンオフを除いたら、最高のパガニーニ伝になったと思います。

合理的な神秘主義

安冨歩

青灯社
(2015年15月30日発行)
タイトルの「合理的な神秘主義」についてはそれほど明確な記述がなく、副題の「生きるための思想史」も著者の考える「思想史」の系譜は書かれていますが、「生きるため」についてはほとんど記述がありません。内容は「哲学者と思想家の世界的見地からの系譜」というべきものでした。

未来の人材は『音楽』で育てる

菅野真理子

ARTES
(2018年6月30日発行・初版)
この本は教育論というより、欧米の作曲家列伝のような内容の本です。作曲家列伝として読めば、実に興味深く、特にある作曲家がある作曲家に与えた影響の系譜についての情報は、これからクラシック音楽を聴いていく上で、より理解を深め、感動を誘ってくれる知識となると思います。

神は、脳がつくった

E. フラー・トリー

ダイヤモンド社(2018年9月26日発行・初版)寺町朋子訳
神についての考察というより、動物と人間の脳の進化によってどのような概念が生み出されてきたかということを解説した本です。神の概念を人間の脳が認識できるようになるのは、人類の長い歴史の中ではずいぶん後の方だということが書かれていました。私には期待外れの内容でした。

ひとびとの跫音(上・下)

司馬遼太郎

中公文庫
(1988年7月25日発行)
活動制限令で時間ができ、上下2巻物の本を読んでみようと思い、読み始めたのが、この司馬遼太郎の本です。正岡子規とその養子の忠三郎さん、彼の友人のタカジという日本共産党から追放された元幹部の人生が、覗き見したように、というか、友達のことを語るように書かれています。

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