マレーシアとシンガポールの両国は、シンガポールに通勤する大量のマレーシア人労働者のニーズを考慮し、短期ビジネスや公用旅行者を含めた両国間の人の往来の規制を緩和する方向で検討に入った。現在は新型コロナウイルス「Covid-19」によって両国間の往来が閉ざされた状態が続いている。
　マレーシアのイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相（兼国防相）は、先ごろシンガポール政府がロックダウン解除の決定を行なったことを受けたものと説明。新型コロナウイルス「Covid-19」に関するマレーシアの情報アプリ「マイセジャテラ（MySejahtera）」をダウンロードすることを条件として国境を越えた通勤を許可する案が出ていることを明らかにした。
　両国外務省の事務級協議が近く行なわれる見通し。規制解除が行なわれた際に必要となる準備の一環として、すでにスルタン・イブラヒム財団とテマセク、トムソン・メディカル・グループが移動式ラボ及びPCR検査キットの提供を申し出ているという。
　シンガポール外務省も短期ビジネスや公用旅行者、マレーシア人通勤者のニーズに対処する用意があると言明。国境を越えた人の往来を安全に行なうための公衆衛生プロトコルを定める必要があると述べた。