シンガポールの「ストレーツ・タイムズ」は、ムヒディン・ヤシン首相が下院解散・総選挙実に向けた準備に入ったと報じた。年内実施を目指しているという。
　6月4日に開催された与党・統一プリブミ党（PPBM）最高評議会で、党首であるムヒディン首相が意向を明らかにし、その後に行なわれた会合で各地区の支部長にもその意向を伝えたという。PPBMのワン・サイフル・ワン・ジャン最高評議員は内閣の正統性に関する議論に終止符を打つためと説明。ムヒディン首相が草の根レベルで会合を行なっており、すべての党幹部に選挙準備を強化するよう指示したと語った。
　ムヒディン内閣はマハティール・モハマド前首相の突然の辞任とPPBMの希望同盟（PH）離脱を受けて、統一マレー国民組織（UMNO）や汎マレーシア・イスラム党（PAS）の支援の下で成立したが、議会での信任は経ていない。
　マハティール氏やアンワル・イブラヒム人民正義党（PKR）党首らはムヒディン内閣の正統性に疑義を呈しており、7月の下院議会（定数222）で不信任案を提出する構えを見せている。PH側は過半数を掌握していると主張しており、与党側の多数派工作が失敗し不信任案が可決される事態となればムヒディン首相が解散・総選挙に打って出るとみられていた。