Diabetes
糖尿病治療の現状と対策
糖尿病は血糖値が慢性的に高くなる疾患であり、2019年のマレーシアにおける有病率は9.4%と報告されています。さらに、糖尿病予備群の割合は23.6%に達しており、糖尿病のリスクを抱える人々が多いことが分かります。特に問題なのは、糖尿病は自覚症状がほとんどなく、8.8%の人々が自分の疾患を認識していないことです。
民族によって異なる発症率
マレーシアにおける糖尿病の発症率は、民族によって異なります。最も高いのはインド系住民で31.4%、次いでマレー系住民が22.6%、中国系住民が15.1%となっています。この増加の背景には、甘いものや加工食品の摂取量の増加、運動不足による肥満が大きく関与していると考えられます。
診断基準
糖尿病の診断基準としては、空腹時の静脈血漿グルコース値が7.0mmol/L以上、または随時血漿グルコース値が11.1mmol/L以上、HbA1c値が6.3%以上とされています。なお、家庭用の血糖測定器(グルコメーター)で測定される毛細血管血糖値とは異なり、もし家庭用測定器で絶食時血糖値5.6mmol/L以上の数値が出た場合は、医療機関で静脈血による正式な検査を受けることが推奨されます。
怖い合併症
糖尿病は単独で発症することは少なく、高血圧、肥満、高コレステロール血症などを併発することが多い病気です。また、合併症として、冠動脈疾患(心筋梗塞など)、脳卒中、腎疾患、眼疾患(糖尿病網膜症など)を引き起こす可能性があります。
重要な食事管理
糖尿病の管理において最も重要なのは、将来的な合併症を防ぐことです。特に食事管理が重要視されます。マレーシアは「食の楽園」とも称され、24時間営業の飲食店も多く、外食文化が根付いています。しかし、多くの料理には知らないうちに大量の糖分が含まれています。例えば、ナシレマや餅米を使った料理、砂糖入りのミルクティー(テタレ)などは、血糖値を急激に上昇させる可能性があります。
治療法
治療法としては、食事療法に加えて、経口薬やインスリン注射があります。近年の経口薬は進化しており、1日1回の服用で済む便利な配合薬も登場しています。しかし、薬だけでは十分な血糖コントロールが得られない場合もあるため、専門医(内科医や内分泌科医)に相談することが大切です。
政府の対策
マレーシア政府も糖尿病対策に力を入れており、特に食事管理の重要性を訴えるとともに、日常的な運動の推奨を
行っています。その一環として、毎日1万歩を目標に歩くプログラムを推奨しています。こうした取り組みが広がることで、糖尿病の発症率が今後低下していくことが期待されています。
サイ シャンカール グナシンガム医師
Mahameru International Medical Centre
T.+603-2287-0988
www.mahameru.com.my
