当時勤務していた、メディア会社が7年前に閉鎖されたのを機に、故郷の味であるドイツパン店を開くことを思いついたオリバー氏。ある日、退職した各業界のプロが、後進に技術提供するサービスを通じて、ドイツ国内に4店舗、4世代にわたる老舗店を経営していたクラウス氏の存在を知りました。独〜マ間で電話のやり取りしながら店の準備を整え、開店1週間前にクラウス氏を当地に招き、直接技術指導を受けたのだそう。
クラウス氏が当地の環境に合うよう調整して作ったパンを一口食べた時、「幼い頃食べた田舎のパンの味が蘇り、これはイケると確信した」とオリバー氏は言います。同店の人気サワードウ「オッパ・クラウス」は、師匠への敬意を評して名付けたもので、独産ライ麦を9割配合。酸味強めの独特の味わいで、常連からは「パン界のギネスビール」と呼ばれています。温めずにバターを塗り、生ハムやサラミと頂くのが一番美味しい食べ方だそうです。