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マレーシアでは毎年多くの人々が感染しているデング熱。特に雨季に感染リスクが高まり、予防の重要性が増します。本記事では、デング熱の症状や治療法、そして昨年承認されたばかりのデング熱ワクチン「Qdenga」の効果について、ひばりクリニックのライアン先生に伺ってきました。

モントキアラ院院長 ライアン医師

Q&A

デング熱とは?
▪️マレーシアのデング熱事情
 デング熱は、デングウイルスによって引き起こされる蚊媒介性の感染症です。主にネッタイシマカ(Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedesalbopictus)が媒介します。マレーシアでは、年間を通じてデング熱のリスクが存在し、特に雨季に患者数が増加する傾向があります。
主な症状としては、高熱・激しい頭痛・眼の奥の痛み・関節や筋肉の痛み・発疹などが挙げられます。2024年には、マレーシアで12万人以上の感染者が報告されています。また、1日の新規感染者数の平均は334人となっています。

▪️近年の傾向
 2024年の前半には前年同期と比較して70%の増加が報告されており、依然として公衆衛生上の重大な脅威となっています。このような状況を受けて、マレーシア政府は2024年にデング熱ワクチン「Qdenga」を承認し、全国での接種を開始しています。

▪️2025年に流行が予想される時期
 マレーシアの雨季は通常10月から2月にかけてであり、この期間にデング熱の発生が増加する傾向があります。

どのように感染するの?
▪️マレーシアにおける感染経路
 デングウイルスは、感染した蚊に刺されることで人に伝播します。蚊は主に都市部やその周辺で繁殖し、人々の生活圏で感染が広がります。

▪️こんな場所も感染リスクが…
 蚊は清潔な水たまりでも繁殖するため、住宅地の植木鉢の受け皿や屋外の放置された容器など、意外な場所でもリスクがあります。

デング熱の症状
▪️子どもや大人で症状に違いはありますか?
 一般的に、子どもと大人で症状は似ていますが、子どもの方が軽症で済む場合が多いとされています。

▪️軽症〜重症の違い
 軽症では発熱や発疹などが見られますが、重症化すると出血傾向やショック症状が現れることがあります。

▪️コロナやインフルエンザとの違い、見分け方など
 デング熱は高熱や筋肉痛が特徴ですが、発疹や眼の奥の痛みが見られる点でインフルエンザやCOVID-19と異なります。

▪️こんな症状があればすぐに医療機関に
高熱 / 激しい頭痛 / 眼の奥の痛み / 関節や筋肉の痛み / 発疹 / 激しい腹痛 / 嘔吐 / 出血傾向(歯茎からの出血、皮下出血など) / 意識の低下や興奮状態などが見られる場合は、まず医療機関に受診ください。

▪️実際にかかったことのある人の体験談
 Iさんは数年前にデング熱ウイルスに感染しました。その後、家族全員が同時期に感染し、非常に深刻な状況に陥りました。家族は次々と40℃近い高熱や強い倦怠感に苦しみ、血小板数が一桁台にまで低下した家族は、ICU(集中治療室)での治療を余儀なくされました。また、生理と重なった子どもは輸血が必要となるなど、困難な状況が続きました。
幸いにも、Iさんの母親は感染せず、家族を支える役割を担いました。しかし、感染した家族が別々の病棟で治療を受けていたため、母親はその間を行き来しながら看病を続けるという大変な日々を過ごしました。
 マレーシアでは治療の一環として、パパイヤの葉から作られる青汁を飲むことが推奨されています。味は決して美味しいとは言えませんが、その治療法を取り入れながら、全員が無事に回復を果たしました。

治療法
▪️ひばりクリニックでのデング熱の治療について
 デング熱の治療法は特効薬がないため、対症療法が中心で
す。主にパラセタモールで発熱や痛みを和らげ、水分補給で脱水症状を防ぎます。重症化した場合は、血小板数のモニタリングが必要で、そのために毎日採血が行われます。点滴治療や場合によってはICUでの管理、輸血が行われることもあります。また、補助療法としてパパイヤの葉エキスやココナッツウォーターが用いられることがあります。

 予防としては、デング熱ワクチンの接種が推奨されています。また、感染拡大を防ぐためには、蚊に刺されない工夫をすることも大切です。デング熱は症状が軽い場合でも、急速に重症化するリスクがあります。高熱や倦怠感が続く場合は、早急に医療機関を受診し、血液検査を受けることが求められます。

デング熱ワクチン「Qdenga」について
▪️デング熱ワクチンの接種を勧める理由
 デング熱の予防には蚊の媒介を防ぐことが重要ですが、ワクチン接種により個人の免疫を高めることができます。

 世界保健機関(WHO)は、デング熱の感染が広がる地域でのワクチン使用を強く推奨しています。特に、感染の重症化リスクを低減する効果が認められており、これにより地域全体の公衆衛生に貢献することが期待されています。マレーシアを含む感染流行地域では、WHOの推奨に基づき、感染経験の有無に関わらず広くデング熱ワクチンが積極的に導入されています。

▪️ワクチン接種について
 Qdengaは4歳以上の方が対象で、3か月以上の間隔をあけて2回接種します。

▪️デング熱ワクチンの副作用はありますか?
 一般的な副作用として、注射部位の痛みや発赤、軽度の発熱などが報告されています。

ひばりクリニックでのデング熱ワクチンサービスについて
 ひばりクリニックでは、院内での個人向けワクチン接種サービスに加え、法人や団体向けの出張ワクチン接種サービスも提供しています。これにより、企業や学校などの集団での接種を希望する場合、現場での効率的な接種が可能です。

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