嵐吹く時も、民王、ミッドナイト・バス、科学がつきとめた『運のいい人』、9割が間違っている『たんぱく質』の摂り方、大常識
乱読のかけら (2024年1月)
嵐吹く時も
三浦綾子
新潮文庫(2022年4月1日発行・初版)
北海道の人々の人生が描かれた三浦綾子の長編小説です。厳しい時代状況と自然の中で生きる北海道の素朴な人々のもとに、外からやってくる人々が新しいモノや、自由民権やキリスト教などの新しい思想をもたらし、大きな影響を与え、人々が変わっていく様子が克明に描かれています。
民王
池井戸潤
文春文庫(2015年6月20日発行)
テレビドラマで先に見てしまったので、出演者のイメージで読んでしまいましたが、原作はテレビ以上に面白いと思いました。日本の政治小説にしては韓流ドラマのような荒唐無稽さがあり、ユーモアのセンスにも溢れていて、どこかにいたような政治家が登場してくるのが面白いです。
ミッドナイト・バス
伊吹有喜
文芸春秋(2014年2月25日発行)
主人公が新潟のバス会社に務める中年の運転手という地味な設定で、描かれる出来事も意外性がなく、ごく普通の物語が語られています。丁寧な筆致で、心を温かくするような表現が多く、ついつい読み進めてしまいました。しかし小説はもう少し壮大、波乱万丈の方がいいと思います。
科学がつきとめた『運のいい人』
中野信子
サンマーク出版(2023年10月15日発行)
「運のいい人」を科学的に説明する本ですが、結論としては、倫理というか生き方が人の運をよくすると書かれているように思いました。この本には、運を科学の力で作り出す方法は書かれておらず、運のいい人の行動と思考はこうだから、それに倣えば、運がよくなると説明しています。
9割が間違っている『たんぱく質』の摂り方
金津里佳
青春新書(2023年10月20日発行)
今まで健康やダイエットによいとされてきた方法が間違っていて、本当はこうするべきだという、よくあるダイエット本の1つです。にわかにこの本に書かれたことの全てを信じろと言われても、なかなか信じられません。特に被験データが少ないので、信憑性に欠け、信じ難いです。
大常識
百田尚樹
新潮新書(2023年11月20日発行・初版)
この本に書かれたほとんどがもっともであると思います。おそらく多くの人もそう思うと思います。そしてできれば、それらの問題に関与している人たちが、問題の1つ1つを吟味し、検討して、改善してくれることを望みます。皆が納得する常識がこの世界に広まることを願います。
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