Hello Malaysia

銀二貫、世の中の『ウラ事情』はこうなっている、ルリボシカマキリの青、悪意、深川黄表紙掛取り

乱読のかけら (2023年9月​)

銀二貫

高田郁

幻冬舎文庫(2013年8月10日発行)
テレビで先に見てしまった小説ですが、原作もテレビの時の印象そのままのストーリーでした。テレビでは主人公の松吉より、寒天問屋の主人の和助役の津川雅彦の印象が強かったのですが、原作では、松吉が中心にいて、丁稚から叩き上げたよい大阪商人が描かれていました。

世の中の『ウラ事情』はこうなっている

日本博学倶楽部

PHP文庫(2000年8月15日発行・初版)
20年以上前に書かれた、当時の世の中のウラ事情の本ですが、日本に住んでいない私が無知なのか、日本がそれほど変化していないのかはわかりませんが、結構納得できた本でした。しかしこの本が何度も話題にしているガラ携やPHPは今ではほとんど姿を消してしまいました。

ルリボシカマキリの青

福岡伸一

文春文庫(2012年9月10日発行・初版)
福岡伸一博士のエッセイ集です。4分の3以上、私にはよくわからない、あるいは面白くない理系の話題でした。4分の1くらいは同感できる内容で、著者が自分のことをハカセと呼んでいる割には威張ったところがなく、自慢が鼻につくこともなく、よい人柄が伺われました。

悪意

東野圭吾

講談社文庫(2011年11月19日発行)
Eメールではなくファックスやパソコン通信、パソコンではなくワープロ専用機が使われていた時代の話ですが、ストーリーは実に複雑な構成で、何度も読者を裏切り、弄んでくれます。最後のどんでん返しは、日本の伝統演劇のようで、鮮やか、かつ、爽快、愉快そのものです。

深川黄表紙掛取り帖

山本一力

講談社文庫(2005年12月25日発行)
久しぶりに読んだ山本一力はやはり最高でした。この小説には紀伊國屋文左衛門や柳沢吉保が登場してきますが、ストーリーの中心は江戸の庶民。庶民が知恵と逞しさで世の中を生きていく姿には感動を覚えます。短編小説集ですが、1つの長編小説として読めるようになっています。

インビジブルレイン

誉田哲也

光文社文庫(2012年7月20日発行)
警察小説で、テレビドラマになりそうな内容です。ストーリーの展開が読者の頭にすっと入ってくるように書かれているのですが、最後まで種明かしをしないのが素晴らしいです。ただ警察組織の上部からの圧力が政治家がらみでないのが、読者へのサービス不足のように思います。

翻訳&通訳なら桜コンサルタント社にお任せ!
Tel: +603-5638 3001
info@sakura.net.my
http://www.sakura.net.my