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街とその不確かな壁、余計なこと、大事なこと、おれは非常勤、白いしるし、今夜も落語で眠り

乱読のかけら (2023年8月​)

街とその不確かな壁

村上春樹

新潮社(2022年4月10日発行・初版)
村上春樹ファンとしては、日本への一時帰国を待てずに、紀伊國屋で買ってしまいました。買ったことは後悔していませんが、期待したほど面白くはありませんでした。今回はっきりと気づいたことは、村上春樹の死生観とクリスチャンの私の死生観は全く違うということです。

余計なこと、大事なこと

林真理子

文春文庫(1993年1月25日発行)
昭和の終わりの時代に書かれた林真理子の本です。まだ私が日本にいた頃の話題についてのエッセイなので、昔を思い出し、林真理子って結構いいこと書いているなあと思いました。実は彼女の本はこれ以外読んだことがないのですが、機会があれば、読んでみようかと思いました。

おれは非常勤

東野圭吾

集英社文庫(2009年6月6日発行)
テレビドラマのシナリオみたいな短編小説集です。短編なので、ハラハラドキドキする前に種明かしになってしまうのですが、それぞれ、それなりに面白いです。しかし非常勤の先生が行った先々の学校でこんな事件が次から次に起ったら、大変だろうなあと思ってしまいました。

白いしるし

西加奈子

新潮文庫(2014年1月20日発行)
世の中には色々なタイプの恋愛があり、人々には異なった性向があることを教えてくれる本です。この本の魅力はアブノーマルな恋愛のストーリー展開より、この作者の語り口というか文体にあると思います。自分の体験を一所懸命教えてくれているような文章の感じがいいです。

今夜も落語で眠りたい

中野翠

文春新書(2006年2月20日発行・初版)
中野翠は林真理子の友達だということを知ってから、この本を読んでみて、なんとなく2人の感性が似ているように思いました。落語が好きで、しかしその好きにはちゃんとした理由があり、それが分からない奴はミーハー的に落語を聞くな、という声が聞こえてきます。

原民喜

梯久美子

岩波新書(2018年7月20日発行・初版)
原爆小説「草の花」の著者の原民喜のこの解説本は日本で買って、5年近く積読していました。読んでみると、冒頭が原民喜の自殺の話で、つい興味を持って読み進めました。昭和の初めの慶応にはすごい文学者たちが学んでいて、ほとんどが貧しかったことも分かりました。

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