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蜩ノ記、人間にとって成熟とは何か、アジアごはん 絶対に食べたい『一皿』、アメリカ

乱読のかけら (2023年6月​)

蜩ノ記

葉室麟

祥伝社 (2011年11月10日発行・初版)
江戸時代のとある藩の事件を描いた小説です。設定が地味で、華やかさがないので、退屈な始まりでしたが、読み進めていくと、リーゾナブルに面白く話が展開して行くので、切腹の運命にある侍が赦されて欲しいという願望を抱いて、最後まで読んでしまいました。

人間にとって成熟とは何か

曽野綾子

GS幻冬舎文庫 (2013年10月30日発行)
クリスチャンである曽野綾子が偉そうに人生論を語り、世間の人々に説教を垂れている、と感じられる、後味の悪い本でした。同じクリスチャンとして、極めて遺憾な、いわゆる残念な本です。こんな本がベストセラーになったのは何故なのでしょうか?

アジアごはん 絶対に食べたい『一皿』

酒井美代子、高野たけし

王様文庫 (2002年6月20日発行・初版)
20年以上前に発行されたアジアの食紀行です。私の体験と重なる部分が多く、ほぼ同感と感じる本でした。取り上げられている場所の中で、ミャンマー、ブータン、ラオスはまだ行ったことがないので、機会があれば行って、その土地の一皿を食べてみたいと思いました。

アメリカの海軍に学ぶ『最強のチーム』のつくり方

マイケル・アブラショフ

知的生きかた文庫 (2016年9月10日発行)吉越浩一郎訳
ハウツー物の本なのに、吉村昭の小説を読んでいるようで、実に面白く、しかもハウツー物としての役割を立派に果たしている、私にとっては近年稀なるヒットの本でした。翻訳がうまいのだと思いますが、自慢話が鼻につかず、納得でき、ぜひ学びたいと思える本でした。

和辻哲郎

小牧治

清水書院 (2015年9月10日発行)
和辻哲郎の人物と思想と哲学を解説した本です。私は和辻哲郎の著書を部分的にしか読んだことがなかったので、日本的哲学の提唱者としか思っていなかったのですが、かなり政治的なところもあり、戦後に自説を変えるなど、色々あった人だということが分かりました。

流浪の月

凪良ゆう

創元社文庫 (2022年2月25日発行・初版)
人の性の多様性とそれを理解しない日本の社会と人々の中での葛藤が、現代の日本の文脈の中で実にリアルに描かれている小説です。もし私がこの小説の中の登場人物の1人なら、主人公が好意を寄せた男性のことを理解することができるかどうかは分かりません。

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