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語学の天才まで一億光年、80歳の壁を越える食事術、暗夜行路、田舎の紳士服店の

乱読のかけら (2023年3月​)

語学の天才まで一億光年

高野秀行

集英社インターナショナル(2022年12月10日発行)
最初この本を書店で手に取った時には、語学自慢の話かなあと思ったのですが、読み始めて、若い頃の語学修行の話だとわかり、一気に読んでしまいました。私も翻訳、通訳という語学で飯を食ってきた人間なので、多くの部分に共感し、著者と会って語り合いたいと思いました。

80歳の壁を越える食事術

吉村芳弘

幻冬舎新書(2022年11月30日発行・初版)
今まで読んできたダイエット本、アンチエイジング本とはかなり違った内容の本です。よく食べ、コミュニケーション能力があり、ちょっと小太りの人が長生きする、と言われてみれば、納得することが書かれていました。私も65歳になったら、そうしたいと思います。

暗夜行路

志賀直哉

新潮文庫(2020年9月30日発行)
志賀直哉の短編小説に魅せられ、いよいよ長編のこの本に挑戦しました。短編に比べると歯切れが悪いような気がしますが、やはり「小説の神様」と言われた人だけあって、文章は最高、また日本国内を移動する鉄道の旅の描写が鉄ちゃんの私に懐かしさを感じさせてくれました。

田舎の紳士服店のモデルの妻

宮下奈都

文春文庫(2013年6月10日発行・初版)
この本を読んで、30歳から40歳の日本の女性はこのように生き、このように世の中を見、このように楽しみを見出していくのか、ということが分かったような気がしました。しかし私には退屈で、共感を呼ぶストーリーとは言えませんでした。文章が下手なのかもしれません。

かたちだけの愛

平野啓一郎

中公文庫(2018年12月15日発行)
平野啓一郎の小説は映画やテレビドラマになる、とこの本を読んでまた思いました。この人は文章というより、ストーリー展開と登場人物の心の動きの設定が素晴らしいのです。この小説で私は主人公の相良に自分を投影してしまい、1つ1つの出来事に一喜一憂してしまいました。

私の家では何も起こらない

恩田陸

角川文庫(2016年11月25日発行・初版)
お化け屋敷のような古い家の不気味な話を集めた短編集というか連作です。それなりに面白くはありますが、私はホラー物が好きではないので、それぞれのストーリーにはそれほど興味をそそられませんでした。この本は恩田陸の小説の中では駄作の方ではないかと思います。

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