Hello Malaysia

pradcol京の酒処といえば「伏見」を思い浮かべがちですが、実は京都の

兄はあの人気俳優…
129年続く蔵元の新たな挑戦

佐々木酒造|京都・洛中

 京の酒処といえば「伏見」を思い浮かべがちですが、実は京都の造り酒屋の起源は中心部の洛中。その中で、現在唯一残る蔵元が、日本を代表する人気俳優の実家としても有名な佐々木酒造です。来年130周年を迎える同社を背負うのは、四代目の佐々木晃社長。自身は三人兄弟の末っ子で、兄(次男)は、日本を代表する俳優・佐々木蔵之介さんということで、日本のテレビ番組などでも度々取り上げられています。長男は元々酒蔵を継ぐ気がなく、蔵之介さんが継ぐ予定だったはずが俳優に。「まさか自分継ぐことになるとは」と、一連の経緯が同社のウェブサイトに軽妙に書かれていて、歴史ある酒蔵の社長さんとは思えない親しみやすいお人柄が、SNSでも話題となっています。

佐々木酒造は、豊臣秀吉が建てた邸宅「聚楽第」があった場所の南に位置。同社を代表する「聚楽第」の純米大吟醸は、千利休が茶道で使ったといわれる名水「銀明水」を仕込み水とし、契約農家が育てた山田錦を使用。

佐々木酒造の佐々木晃社長は、その“ぶっちゃけキャラ”でSNSでも話題。同社ウェブサイトには、三男である自身が後を継ぐことになった経緯がざっくばらんに紹介され、親しみを呼んでいます。

 これまで、台湾や香港で販売してきた同社の日本酒ですが、今回、京都に本社を置く「オーシャン貿易」と関連会社であるマレーシアの「TKBインターフード」との縁もあり、当地で本格的に展開することになったのだとか。「京都の酒蔵で130年なんて、まだまだひよっこ。それを売りにするつもりは全くないのですが、これを一つのきっかけとして新たな挑戦をしようと思ったんです」と佐々木社長。

 「オーシャン貿易」の服部加奈子さん曰く、「同社は、食事を引き立てる日本酒を作っていらっしゃるので、今後は、じっくり和食と味わっていただけるような当地の和食店やおまかせのお店で展開していきたい。取り扱いたいという飲食店さんには是非ご連絡をいただきたいですね」とのこと。

2022年8月23日、当地で日本酒や和牛の輸入販売を行う「TKBインターフード」主催の日本酒ペアリングイベントがKLの「寿司ひびき」で開催され、編集ようこが参加。当日は、京都から佐々木社長も駆けつけ、ゲストに「聚楽第・純米大吟醸」が振舞われました。同酒に合わせたのは、渡り蟹の日本酒漬け、鮎の甘露煮、ホヤ。聚楽第のフルーティな味わいや甘さで、ホヤ独特のクセは抑えられながら、海鮮の旨味が引き出されていたのが印象的でした。

「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022」プレミアム大吟醸部門では、「聚楽第・ 純米大吟醸」が見事金賞を受賞。伝統的なお猪口ではなかなか引き出せない、上品で繊細な香りを感じさせてくれます。

 日本では今、平成元年と比較して日本酒の販売量が半減していますが、日本酒の海外への輸出量は、2021年に過去最高を記録。「和食」がユネスコ無形文化遺産になって以降、各メーカーの努力に加えて「和食を食べたい、日本酒を飲んでみたい」という海外からの要望が大きいようです。

 ちなみに、佐々木酒造の海外で人気銘柄は、代表作である「聚楽第」の純米大吟醸、川端康成が「この酒の風味こそ京都の味」と好んだ「古都」の純米吟醸、そして、京の都を守る四つの神、白虎、朱雀、玄武、青龍をラベルに描いた「平安四神」の3銘柄。中でも「聚楽第」の純米大吟醸は、低温長期熟成によるふくよかな香りとスッキリとした飲み口が特徴。日本酒を飲み慣れていないと、「純米大吟醸」「純米吟醸」という用語にも戸惑ってしまい、どう合わせたらいいのかと悩んでしまうところですが、「カレーに日本酒、という方はそんなにいらっしゃらないとは思いますが(笑)、基本的に和食に合わせたら間違いありません」と社長。「日本酒は和食の一部。あまり難しく考えなくていい。NGがないから冒険もできる。もっと気軽に、一つ一つ試しながら自分の好みを見つけていかれたらいいんです」。

今年の秋から来年にかけて、「古都・特別純米」をリニューアル予定。これまでも厳選された京都産の酒造米を使用していましたが、今後は、「聚楽第・ 純米大吟醸」にも使われている、京都の契約農家が育てた山田錦を使用する予定。

「食事と楽しむ」をコンセプトとしたリキュールも醸造する同社。瀬戸内檸檬が爽やかな「古都のリキュール・檸檬」と、高知産柚子使用の「古都のリキュール・柚子」はどちらも甘さ控えめ。暑い当地では、ソーダ割りでさっぱり頂くのもお勧め。

 最近は、720mlや一升瓶入りだと飲みきれない、という方も多く、300mlサイズが人気だそう。、小サイズで色々な銘柄を楽しみながら、自分のお気に入りを見つけていくのも楽しいかもしれません。

「まずは知ってもらうことが大事。マレーシアでの展開もこれから更に注力していきたい」

 千年以上前から造られている日本酒ですが、ここ十年で分析技術が上がり、香りなどの成分を数値化できるようになり、完成形を目指して醸造中に調整できるようになったそうで、「いい酒が安定して提供できるようになっているので、マレーシア在住の日本人の皆さんにも是非飲んでいただければ。まずは弊社の酒を知ってもらい、目に触れ、飲んでもらう機会を作ることが大事だと思うので、当地での展開も注力していきたい」と佐々木社長。当地の和食店で見かけたら、佐々木酒造の酒を味わってみては。

「寿司ひびき」で行われた日本酒ペアリングイベントでは、佐々木酒造の日本酒を含む、選りすぐりの日本酒やワインが提供されました。

日本酒ペアリングのイベントの直前、編集ようこが佐々木社長をインタビューさせていただきました。

TKB Interfoods Sdn. Bhd.
佐々木酒造の各種酒のお取り扱いのご相談は、下記までお気軽にご連絡ください。
WhatsApp: +6012-288 3287