新型コロナウイルス「Covid-19」の大流行が国内2,300件の格安ホテルへ与えた影響について、マレーシア廉価ホテル協会（MYBHA）のガネーシュ・ミシェル副会長は、政府の支援がなければ少なくとも20％が閉鎖するとの懸念を示した。
　同氏は、一部のホテルでは1泊当たりの客室稼働率が7室未満と、行動制限令（MCO）施行期間よりも改善はしているものの、これらのホテルを保護するための法的措置を早急に策定する必要があると明らかにした。また破産を防ぐため法律を改正すべきと指摘。ビジネスが完全に回復するまで支援が必要だと述べた。
　州間旅行規制の緩和については、一部のホテルで顧客を引き付けることができなかったと指摘。ランカウイ、ポートディクソン、ペナンなど需要の高いエリアのホテルでは宿泊予約数が増加しているが、多くの観光客が違法な民泊や民泊仲介サイト「エアービーアンドビー（Airbnb）」を利用する傾向があるため、実際の旅行者数については正確に把握できていない可能性があるとの見解を示した。
　またデジタル化の推進により「ズーム」などのウェビナーアプリを通じてホテルを予約する企業幹部が増えているが、このような旅行者は通常、格安ホテルを利用しないと指摘した。
　違法な民泊に関してガネーシュ副会長は、観光局が取り締まるべきと主張。違法な民泊が、3つ星以下の格安ホテルが集中する都市部で急増しているとした。またオンライン旅行代理店も、値段を下げないなどして予約流入を阻止し「格安ホテルをいじめている」として、政府の介入を求めた。