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pbcol歴史の定説100の嘘と誤解、日本人が誤解している東南アジア近現代史、空白

乱読のかけら (2020年10月​)

歴史の定説100の嘘と誤解

八幡和郎

扶桑社新書
(2020年3月1日発行・初版)
この本の100のトピックは、教養といいましょうか、トリビアと言いましょうか、目から鱗が落ちる知識を提供してくれ、読んでいて楽しくなりました。私が常々思っていたことで、ズバリ簡潔に説明されていたのは、「文明より文化のほうが尊いという誤解」です。まさにそう思います。

日本人が誤解している東南アジア近現代史

川島博之

扶桑社新社
(2020年3月1日発行・初版)
この本のマレーシアに関する記述には、きちんと調べず、思い込みで書いたと思われる箇所が多く、実に不快でした。他のアジア諸国の歴史や現状について、私は造詣が深いわけではないので、判断はできませんが、おそらく他の国のことも独断と偏見で書いているような気がします。

空白の日本史

本郷和人

扶桑社新社
(2020年2月20日発行)
それなりに興味をそそるトピックが書かれていました。「源氏物語」の恋愛を不倫という視点から見たり、日本人が性に大らかであったことなど、真面目で四角四面な東大の日本史の先生という感じからは逸脱した内容を楽しく読ませもらいました。私の教養が少し増加した気がしました。

ブローティガン 東京日記

R・ブローティガン

平凡社文庫(2017年4月10日発行・初版)
福間健二訳

1976年に1カ月半日本に滞在したアメリカ人の詩人の詩集です。詩は翻訳されると訳者の感性が前面に出てきて、原作の味わいが薄れてしまうのは仕方がありません。しかしこの詩集は紀行なので、詩人の旅行の感想、それも私が高校1年生の頃の日本の感想を楽しむことができました。

霧の向こうに住みたい

須賀敦子

河出文庫
(2019年10月30日発行)
イタリア文学の翻訳家の著者のエッセイ集です。感想は2つ。イタリアやフランスのことを書くと普通のことでも日本人にはありがたくなる。翻訳家の文章は、日本語にしては主語や人称代名詞が省略されていないことが多く、かつ1文が従属文を多く従え、長くなる。これは私も同じです。

21世紀の戦争と平和

三浦瑠麗

新潮社
(2019年2月25日発行)
徴兵制についての各国の状況を分析し、その役割を研究した本です。入念な調査と検証、研究への真摯な態度がにじみ出てくるような内容です。国の軍事増強のための徴兵制という制度は今やほとんど意味を持たず、徴兵制度が別の意味を持ち始めてきているということは驚きでした。

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