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人の気持ちをつかむには、ほめる材料を日常から仕込んでおく

一点集中の変化球でホメる

人の気持ちをつかむには、ほめる材料を日常から仕込んでおくことが大事です。しかしそれが誰もが思う見え見えのポイントでは効果は出ません。他の人が気づいていないような(時として本人も…)変化球的なほめ言葉こそが重要なのです。例えば、社内で評判の美人と付き合いたい場合、誰もが言う「綺麗」とか「美人」とかいう言葉では大した効果はありません。なぜなら美人は自分がキレイということはすでに自覚しているし、そう言われることには小さいころから慣れているからです。効果的なのは、他のライバルが気づいていないような、または話題にしないようなポイントを一点に絞ってほめるやり方です。「指がキレイ」とか「お茶を飲むしぐさが可愛い」とか「声が小鳥のさえずりのようだね」とか「髪のキューティクルがきめ細かく黒い絹のようだね」とかかなり違う球を投げてみます。その変化球は一点だけにしておきます。そこを何度も攻めるのです。いつも通り直球が来ると思っていた相手は、その変化球に驚きます。そして「この人は他の人とは違う」「本当の自分をわかってくれている」と感動します。人間というものは、最初嬉しいことでもそれが当たり前になるともう満足しません。だからこそ、胸元を抉るような魔球が相手をノックアウトするのです。

鵜子幸久
日本全国で発刊されている無料媒体誌『ホットペッパー』の創刊編集長。現在はアンロックアジア社長として、ITエンジニアの人材開発に従事。