Hello Malaysia

golfcolある依頼を受けた時のお話をします。もう随分前になりますが、ゴ

好評連載ゴルフコラム一球一球心を込めて…
鈴木秀純
テンプラーパークCC所属プロKL日本人学校卒のPGAプロ

ランチェスター戦略

ある依頼を受けた時のお話をします。もう随分前になりますが、ゴルフが盛んなマレーシアでは日系企業さん同士で対抗戦なるものを開催されていたりします。その当時のA社とB社の対抗戦ルール1つ目は、選抜された両社12名(合計24名)の選手のうち両社上位10名のスコアーの合計戦。2つ目は両社2名ずつ合計6チームのマッチプレー戦。3つ目が代表者の(予め決めたハンディによる)ネットスコアー戦。この3つのうち2つを取った方が勝利となります。対抗戦は半年に1回開催されこの時A社がB社に7連勝中(3年半勝ち続けている)という状況で、上位10名のスコアーの差が100打(A社1000:B社1100))ありました。B社は完敗状態で勝負に持ち込むには一人10打の改善が必要でした。依頼を受けた時点で次の対抗戦まで3ヶ月。「帰任までに勝ちたい。何とかして欲しい」という代表者の方のお言葉もあり、私が考えたのが「ランチェスター戦略」でした。限られた時間の中で最短で結果を出すには、「何かに絞って集中的に取り組む」ことが必要です。それが「ランチェスター戦略」でした。具体的には3ヶ月間ほぼ毎回9番か8番アイアンの転がしのアプローチ練習ばかりを行いました。毎週2時間兎に角転がしのアプローチばかり。転がしてカップの半径5m以内に寄るように。9番か8番のアプローチ転がしていればミスがミスにならないメリットもありました。これで5m以内に寄れば2パット以内で上がれる確率が上がります。「これだけで1人1ホール1打の改善」を目指したのです。すると対抗戦まで残り1ヶ月のあたりから平均スコアー120以上ぐらいだった人が100を切るくらいになってきたのです。そして迎えた対抗戦当日、B社の方から結果の報告がありました。「スコアーの合計戦勝利。マッチプレー勝利。代表者戦勝利。なんと3つ共勝てました」というものでした。スコアー合計戦では50打勝ったとのこと。A社のスコアーがいつもより悪かったこともあったようです。恐らくA社の方々はB社の戦略に慌ててしまいスコアーを崩したのでしょう。B社の方々は8連敗を阻止し、4年振りの勝利を手にしたのでした。その後B社ではゴルフブームが起きたのは言うまでもありません。私も勝利のお手伝いができたことがとても嬉しかったことと、皆さんにゴルフの楽しさが伝わったことが何よりでした。

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