暖かな気候でのんびりしたマレーシアでは、一般的に時間にはルーズで約束に遅れた相手を怒っても反対に「なぜそんなに怒るのか？」と言い返された人も多いのでは？これは、この国の人が「悪い」と言っているわけではなく、昔からの価値観の中で「時間を守る」という尺度がそんなに重要ではないからこうなっているだけの話だと思います。とは言いながら、モノが異常な頻度でぶっ壊れるこの国でメーカーの修理担当を呼んで、指定された日時に仕事を休んで在宅していたとしても、時間通り来ることは皆無で、電話をしてみたら「On The Way,10min」と返事があり、さらに3時間後くらいにようやく到着して「Never mind,No problem」と言う黄金のレスポンスは皆さんも体験していると思います。日本では時間を厳守する国民性が根付いており、小学生の時から遅刻は大変失礼なことであると教わってきました。そういうわけで電車やバスが時間通りやってくる稀有な国となったわけです。いくらこの国で長く住んでも、このDNAだけは一生消えることはあり得ません。我々日本人は約束を破られるだけで「大嫌いになる」という習性が強制的に組み込まれているのです。これはどうしようもないことなのです。すごく長い前振りになってしまいましたが、「約束を守る最善の策は、約束をせぬことなり」というナポレオンの言葉をもって締めくくりとさせていただきます。