Hello Malaysia

featcolパノーラ読者の皆さま、コンニチハ!MCOの中、14日間の施設隔離中の

パノーラ読者の皆さま、コンニチハ!
MCOの中、14日間の施設隔離中の「お弁当」について感想を述べる機会を頂きましたので、私さくら-E(本誌読者)の経験談をご覧ください。

MM2H老人です。多趣味で、好きなことは寝る事、拓郎、旅。たまにゴルフ・テニス・ソフトボール、そしてコロナに対して3重苦(重病疾患、糖尿、高齢)で恐々と生きています。
寄稿者:さくら―Eさん

さて、好き好んだわけではないですが、このMCO期間中に2回ばかり日本へ一時帰国をしました。

<1回目>2020年3月29日マレーシア出国〜6月末再入国(入国拒否措置で3か月後再入国) 
<2回目>2020年9月24日マレーシア出国〜10月10日に入国後、24日に隔離施設(ホテル)から開放!

1回目は要事前PCR検査、タイミングを図って14日間自宅待機時にマレーシアに戻りました。2回目はPCR検査不要でしたが、政府指定の隔離施設に14日間のQuarantine(隔離)になってしまいました(隔離期間中の滞在費:RM4,950をカード払い)。

空港にて

2回目のマレーシア再入国ですが、2020年10月10日にKLIA到着。実はこの数日前に、隔離施設のホテルのグレードをスタンダードかプレミアムの2択から選べることになっていましたが、私の場合、すべての手続きが終わった最後の最後になって「貴方は日本人ですか?ならばプレミアムホテルの選択もあるけど、どうしますか?」と聞かれ、すでにRM4,950支払い済みで、いまさら差額を支払うのも納得できず、「Standardで充分!」と答えて、この日入国した入国者の最後の一人として送迎のバスに乗り込みました。

隔離施設にて

KL市内のPUDUにある、とあるHotel(監獄ではありませんよ)に着くとそこでチェックインカードを渡され、8階へ(このHotelでは6〜8階が隔離者用の用意されたフロアです)。各部屋の前には40㎝四方のラタンの台が置かれ、お弁当置き場となっています。部屋は想像通り、というか想像を絶する感じでした。部屋の窓のすぐ前には隣のビルの壁、入口のドアから窓側まで直線で歩いて8歩弱という部屋(しつこいですが監獄ではありませんよ)にはキングサイズのベッドが一つ。部屋には500mlペットボトル(1日2本x14日分)に、Coffeeと紅茶パックが合わせて14日分+砂糖とクリーマーは目分数量。部屋には小さな冷蔵庫と湯沸かしポットが一つ。TVは壁にはめ込まれたもので、Vision FOUR とかの映画専門チャンネルで同じ映画を繰り返し見せられました。14日間ベットメーキングは無し(すなわち部屋の掃除は無いという事です)。そして、もちろん部屋からは一歩も出てはいけない決まり。上下左右360度日本語なし、貴方ならこの環境の中で14日間をどう過ごしますか?

お弁当の話

このホテルのチェックインの時に、今後14日間の予定表、外食注文のお店リストも渡されます。外食注文も、ハラル(Halal:イスラム法で飲食が許された食品)の料理でなくてはいけなくて、家族からの差し入れもハラル料理のみ可。もちろん外部からの差し入れ時には、直接の手渡しは一切不可、仮に差し入れがあれば一旦ホテルのフロントで受けとったあとで、ホテルのスタッフが部屋まで配達してくれます。

初日、チェックイン後に部屋に入って、うつらうつらしていると、突然ルームベルが鳴ったので、恐る恐るドアを開けて首を出すと、完全武装のホテルスタッフがラタン製の台に弁当を置き、逃げるようにエレベーターホールに走っていくところでした。前置きが少し長くなりましたが、これが隔離施設における最初の「お弁当」です。 

恐る恐る置かれた弁当をあけてみると、お〜なかなか良いじゃん(ちなみに、意外と美味しかった!と言う人と、まるで餌だ!と言う人と、ふた通りの意見があるようです)。

ここにご紹介する弁当の写真(右ページ参照ください)は滞在後半に撮ったものですが、おかずは鶏肉中心で80~90%がチキンライス(チキン+ご飯)、たまに魚、たまにパン、ご飯はインディカ米なのでボソボソの食感です(通常、このご飯にはサンバルチリソースをのせ、交ぜて食べますが、日本のフリカケをかけて食べるとこれが意外や旨い!そんな感じのご飯でした)。まあ滞在中の食事は全編こんなようなものでした。今になって思い出すと、お弁当のメニューついては良く考えられていて、努力されているのが伺われましたが、ひとつ気になったのが、メインのお弁当に添えられる果物類です。リンゴ、梨、バナナなどがたまに付きましたが、リンゴや梨は部屋にナイフがない(!)ので、歯が弱いとどうやって食べるか…笑い話のようです。それでも、隔離生活も後半戦に入ると、このお弁当をまだかまだかと待っている自分がいたりして、ペットや囚人、あるいは家畜はこんな感じなのかと…。とはいえ、日本人にはやはりカップヌードルとか、お菓子とかある程度の日本食の持ち込みは必須でしょう。

お弁当大公開!

隔離先で支給される’お弁当’は読者の皆さんも興味がありますよね。隔離施設の良し悪しの運・不運がありますが、支給される「お弁当」の良し悪しも運不運が付きまとうかと思います。ここでご紹介するお弁当の写真は、隔離期間の後半に撮ったものですが、初日から鶏肉中心で14日間似たりよったり内容。ちなみに日本から持ち込んだインスタント食も、結局、部屋には小さな湯沸かし器しかないので、カップ麺を作るのが精一杯でした。

「日替わり」がキーワード

MCO中に2回に亘る、日本とマレーシアの往復は「日替わり」が隠れたキーワードで、この日替わりには、実は結構苦労させられました。

マレーシア再入国許可の申請手続きはRegulationが日替わりメニューのように変わりました。その都度申請書を作り直したり、申請方法で悩んだり。そして14日間の隔離生活では今回ご紹介した弁当が「日替わり」でしたが、私が隔離されていたホテルでは、日替わりは日替わりでも、来る日も来る日も、チキンの取っ替引っ替で、もしチキンがダメな人がいたらとても良いダイエットになったのではと思います。

余談ですが…隔離されたホテルで初日に部屋に入ったときのこと、ホテルのフロントから私の部屋に電話がありました。WhatsAppで同じ境遇の仲間たちで、150名ほどのグループ・チャットが作られているので、是非貴方も参加して、お互いSNSで交流・相談をし合ってください、と。私の時には、若い人が多かったせいか毎日すごい数のやり取りがありましたので、今思えば、皆さんSNSでストレス発散させていたのでしょう。その経験を踏まえて、これから隔離される方にアドバイスしたいのが、特に高齢滞在者はPCとスマホは日頃からスキルを上げておいてください。コロナ禍の中、或いはMCOの中、多くが「日替わり」となっています。自分自身がこうした日替わりの状況に対応、生き抜くためには、やはりPCやスマホが手足のように使いこなせている必要があります。

わずか1年前には、マレーシアに入国するだけで、自分がこんな隔離生活を送ることになるとは思いもよりませんでしたが、コロナ禍がいつ終わるか、いまだに先が見えない中で、この私の経験談がこれから隔離生活を送られる読者の方に少しでも参考になれば幸いです。