Hello Malaysia

現地の日系塾事情

日本とマレーシアの学習環境の違い

マレーシアでは、通常の対面授業と共にオンライン授業も広く行われていることもあり、日々の学習にタブレットやPCを利用する機会は日本よりも多いと感じます。もともと当地の日本の子ども達はオンライン環境には慣れており、オンラインでの課題提出や試験などに広く活用されています。また、英語の学習機会は、インター校のみならず、日本人学校でも丁寧に指導しており、こういった経験は帰国後にも残る大きなメリットだと思います。一方で、計算や漢字・英語のスペルの練習など、自学でコツコツ行ってこそ初めて身につくような分野については、苦労されている方が多いように思います。

現地の日系塾の選び方

現地の塾はいくつかございますが、「英会話力を伸ばしたい」「難関校に進学したい」など、目的に合わせた塾選びをされることを推奨いたします。また、入塾の際も、「○○中学に入学したい」「関東の附属校に行きたい」「まずは学習習慣をつけたい」など、目標設定が必要だと思います。

日系塾で教える英語学習について

英会話型と受験型がございます。前者は英語でのコミュニケーション力を鍛えるための塾、後者は日本の受験に備えた学習をするための塾です。ポイントは目的が全く異なるので、その学習内容は別物と考えるべきという点です。例えば、日本では「楽器を”play”する際は楽器の前に”the”をつける」と習いますが、果たして日常会話において実際にtheを付けて話す人はどのくらいいるのでしょうか。「日常で使える表現」と「入試によく出る表現」は異なります。日本の高校受験、特に難関私立を受験する際には感覚では解けないように問題が練られておりますので、しっかりと文法を学んでおくことが必要です。なお、駿台では受験型の英語を教えています。

日系塾として、親御さんに伝えておきたい学校選びについて。特に、日本人学校か、インター校かを迷われている親御さんに対するアドバイス

インター校は学校によってカリキュラムが異なり、日本のカリキュラムからは大きく外れてしまいます。そのため、将来日本の中学校や高校・大学へ進学を希望する場合、塾や参考書、少なくとも教科書などで日本の教育をフォローしておかないと時間が経てば経つほどついていくことが難しくなります。具体的には、小学生の場合、日本人学校にお通いであれば「計算・漢字ドリル」などの毎日コツコツ行う課題があり、学習習慣が身につきます。丁寧に書く習慣も身につきます。一方でインター校の場合は、G8・G9あたりから急に課題が多くなることが多いです。小学生時の学習のねらいが異なるため、急に方向性を変えたときにお子様が戸惑うこととなります。ですので、インター校に進学される場合はご家庭での学習フォロー、または塾でのキャッチアップが必須といえます。

当地にいるからこそ知っておきたい、日本の中学/高校の受験資格、メリットについて

日本の学校の受験資格としては殆どが「9年間の過程を修了」していることが条件となります。インター生の場合は、「9年間の課程を国外現地校等で2023年4月1日以降に修了見込の場合は、2023年4月入学の出願はできません」という学校もあります。その場合、G9を修了もしくは12月までに日本の学校へ編入をするなどの対応を取らなければならないので注意が必要です。海外歴は以前、2年以上や1年10カ月以上という条件が多かったのですが、最近は緩和傾向で、1年でも帰国子女枠受験の権利が与えられることもございます。ただし殆どの学校が帰国生の定義を「保護者の就業等で海外在留している子ども」としていることが多く、母子留学等の場合は、必ず問い合わせで確認をする必要がございます。受験回数が増えるということは大きなメリットです。同じ学校を2度受験ができたり、年内で早期に受験をすることが出来るため、新年度の準備をゆっくりと進められること、戦略的にも早めに受験を知るということは大きなメリットとなります。

その他、駿台マレーシア校からのアドバイス

お子様と「今日算数は何習ったの?」「最近楽しそうだね、何かあったの?」など、学校の話題をしてみましょう。テストでなくともそこから見えてくることがあります。例えばその日に習っていることがすぐに言えない場合、授業についていけてないのではないかなどの不安が具体化してきます。その際は学校や塾に相談してみましょう。子どもは地域全体でしっかりと見ていくべきだと考えております。KLにお住まいでない場合はオンラインでご対応致します。是非“日本の教育の場”をご活用ください。

上手に活用することで学習効率のアップや学習機会を損失せずに授業を受けられるメリットがあるオンライン授業。先生と生徒が同じ画面を共有しながら、お互いの顔を見て話せたり、リアルタイムで質疑応答ができます。

当地では塾自らが手配するバスで、コンドミニアム前まで送迎を行っているところもあります。

小林 一也さん