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古都、清兵衛と瓢箪・網走まで、世界から猫が消えたなら、銀の匙、しずかな日々、

乱読のかけら (2022年9月​)

古都

川端康成

新潮文庫(2016年11月5日発行)
この小説の筋は特におもしろいというものではありませんが、会話に使われている京都弁がなんとも優雅で流麗で、日本語の美しさを際立たせているため、きっと高い評価を得たのだと思います。私も大学4年間京都に住みましたが、この小説のような京都弁は聞いたことがありません。

清兵衛と瓢箪・網走まで

志賀直哉

新潮文庫(2010年8月10日発行)
最近志賀直哉ファンになった私ですが、この本の短編のそれぞれにも驚かされました。日本語が美しく、登場人物の感情の動きと私の感情を重ねることができるので、ついつい物語に引き込まれていきます。また時々登場する昔の汽車や駅の情景は、私には懐しく、大好きなものです。

世界から猫が消えたなら

川村元気

小学館文庫(2015年10月31日発行)
死を宣告された「僕」の心の動きに、私も一緒になって、一喜一憂しました。現実にはあり得ない設定ではありますが、自分の命と引き換えに何かを消していくという選択の難しさ、また何かが消えた時の戸惑いや喪失感がよくわかるので、人の死一般についても考えてしまいました。

銀の匙

中勘助

角川文庫(2010年5月15日発行)
「中勘助の詩から」という合唱組曲を歌ったことがあり、「銀の匙」にはずっと興味を持ってきました。読んでみると、甘ったれた主人公の言動が優しい日本語で綴られ、それが醸し出す雰囲気が、高等遊民の子ども時代という感じなので、夏目漱石から高い評価を受けたのだと思います。

しずかな日々

椰月美智子

講談社文庫(2011年6月1日発行)
子ども時代の体験を、子どもの目線で生き生きと描いた児童文学です。大人が子ども時代を振り返って書いた自伝小説はたくさん読んできましたが、子どもの視点を貫いている小説はあまり読んだことがなかったので、とても新鮮でした。かなり普通でない子どもの体験が書かれています。

大放言

百田尚樹

新潮社(2015年9月15日発行)
この人の放言の全てに賛成ではありませんが、ほぼ納得しました。言葉狩りのようなことを必死になって、大真面目にやっている日本は、おかしな国と思います。特に最近のセクハラに関する日本のマスコミや人々の反応は、かなり異常な状況だという主張には私も納得します。

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