地上で僕らはつかの間きらめく、いつもの言葉を哲学する、太陽と鉄、献灯使、あ
乱読のかけら (2022年4月)
地上で僕らはつかの間きらめく
オーシャン・ヴオン
オーシャン・ヴオン新潮クレスト・ブックス
(2021年8月25日発行・初版)木原善彦訳
原作が悪いのか、翻訳が悪いのか、どちらのせいか分かりませんが、何が書いてあるのかがよくわからない部分が大半を占めている本でした。著者がベトナム系アメリカ人の詩人なので、どれだけ美しい詩が読めるのだろうかと期待したら、意味不明の言葉だらけでした。
いつもの言葉を哲学する
古田徹也
朝日新書
(2021年12月30日発行・初版)
言語哲学者がここまで来たか!と感動しました。言語哲学の本は、哲学の中でも最も理屈っぽく、難解極まりないのが普通ですが、この著者は誰もが分かる言葉で、言語の問題を説明しています。言語哲学の本来のあるべき姿がこの著書によって実現されているようです。
太陽と鉄
三島由紀夫
中公文庫
(2015年8月20日発行)
2つのエッセイが収められた本ですが、「太陽と鉄」の方は哲学的、形而上学的、抽象的すぎて何が書いてあるのか理解できませんでした。「私の遍歴時代」は実に明快で、天才三島由紀夫の若き日の修業時代がよく分かりました。しかし巻末の解説が一番よかったです。
献灯使
多和田葉子
講談社文庫
(2020年6月4日発行)
「献灯使」は荒唐無稽、理路不整然、これほど読み終えるのに苦労した小説も珍しいです。その他の短編小説も何が書いてあるのかよくわかりませんでした。どうしてこういう本が出版され、さらには英語に翻訳され、全米図書賞まで受賞したのでしょうか。不思議です。
あのポプラの上が空
三浦綾子
講談社文庫
(2021年6月15日発行・新装版初版)
札幌で薬局と病院を経営する家に居候をした東京出身の青年の物語です。不思議な人たちが構成する家族の中で、青年が奇妙な出来事に出会い、成長していく様子が描かれています。小説は荒唐無稽すぎない方が安心して読めるので、この本を読んでホッとしました。
母
三浦綾子
角川文庫
(2017年3月20日発行)
プロレタリア作家の小林多喜二の母が語り手となって、自身と多喜二の人生を描いた小説です。私は小学校6年生の時に「小林多喜二」という映画を見て、息苦しい思いを感じたことを覚えています。日本も貧しく、暗い時代があったことを忘れるべきではないと思います。
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