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破裂(上・下)、音楽家の名言、戦争の日本古代史、寛容についての手紙、説教を

乱読のかけら (2021年5月​)

破裂(上・下)

久坂部羊

幻冬舎文庫
(2007年8月10日発行・初版)
「白い巨塔」に匹敵する小説との触れ込みでしたが、「白い巨塔」ほどスケールは大きくなく、しかしあまりに理不尽な厚労省の官僚の動きが不気味にストーリーの展開に絡んでくるところが、別の意味で面白さを誘っていました。しかし医学部や病院とはつくづく伏魔殿だと感じました。

音楽家の名言

檜山乃武

ヤマハミュージックメディア
(2011年2月20日発行)
世界の有名な音楽家たちの名言には納得させられるものがたくさんありました。特に映画「アマデウス」で作られたモーツァルトのイメージが、この本で紹介された言葉で覆りました。モーツァルトは天然の天才ではなく、名言を生み出せるほど苦労をした人だということが分かりました。

戦争の日本古代史

倉本一宏

講談社現代新書
(2017年5月20日発行・初版)
白村江の戦いが実は既に百済が1度滅亡して、日本にいた人質の王子を奉じて百済の再起を賭けた戦いだったこと、またその場所が日本で言われているような地形ではなく、何キロにも及ぶ大きな干潟だったことなどの歴史の真実と、日本人の朝鮮感の形成などを知ることができました。

寛容についての手紙

ジョン・ロック

岩波文庫(2018年6月15日発行・初版)
加藤節・李静和訳
この手紙が書かれた17世紀のヨーロッパ、特にイギリスの教会事情が分からないと全く何を言っているのか、よく分からない本です。為政者の力を利用して、他教派を弾圧する教会の指導者への寛容の呼びかけということは分かりますが、なぜ現代人のために出版したのかは意図不明です。

説教を知るキーワード

平野克己

日本キリスト教団出版局
(2018年3月7日発行・初版)
教会で説教をする牧師のために書かれた本です。しかし内容は現在牧師をしている先生方にはあまりにも当たり前のことばかりで、むしろ信徒が牧師の苦労を知り、牧師の説教をきちんと聞くための奨めのような内容になっています。私も信徒として、説教をきちんと聞こうと思いました。

カール・バルト 未来学としての神学

福島揚

日本キリスト教団出版局
(2018年8月1日発行・初版)
40年前、クリスチャンになった頃の私には、カール・バルトという人は訳のわからない、難しい神学を展開する人にしか思えませんでした。しかし最近、カール・バルトの著作のいくつかを読んで、共感することがあり、この紹介本を読んでみました。バルトは期待通りの神学者でした。

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