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pbcolクラシックへの挑戦状、グッドラック、祝祭と予感、さまよう刃、漱石紀行文集

乱読のかけら (2020年5月​)

クラシックへの挑戦状

大友直人

中央公論社
(2020年1月25日発行・初版)
友人に勧められて購入し、ちょっと失望しました。指揮者・大友直人は偉大な音楽家かもしれませんが、文章には知性があまり感じられず、ただ自分の歴史を書いただけという本でした。タイトルから期待される、新たなクラシック音楽の姿はこの本には書かれていませんでした。

グッドラック

アレックス・ロビラ他

ポプラ社
(2017年4月27日発行)田内志文訳
幸運を掴むためにはどうすべきかが、ファンタジー小説の中で描かれています。大人が読む本と言うより小学校高学年向けの本のような気がしました。結論を言えば、幸運は棚ボタ式には手に入れることはできない、諦めないで努力すれはうまくいくということを教えています。

祝祭と予感

恩田陸

幻冬舎
(2019年10月25日発行)
「蜜蜂と遠雷」の続編ということで、大きな期待に胸を膨らませ、読んでみましたが、読者が想定できてしまえる展開で、今回著者は音を言葉で表す作業をサボったような気がしました。できることなら、偉大な指導者のレッスンやコンクールの演奏の音の描写が読んでみたかったです。

さまよう刃

東野圭吾

角川文庫
(2019年8月10日発行)
娘をレイプ犯の少年に殺された父親が行う復讐を、思いきり応援してしまいました。この本はミステリの謎を解いて行く小説というより、結末がどうなるかを知りたくて読み進めるタイプの本です。未成年の凶悪性犯罪の扱いについて、社会に対して疑問を投げかけている内容にもなっています。

漱石紀行文集

藤井淑禎編

岩波文庫
(2018年12月14日発行)
夏目漱石が満州を旅行した時の紀行文、ロンドンに留学した時の下宿の話などが載っています。観光ガイドブック的な紀行文でなく、異郷の地に住む人々との交流を中心したエッセイですが、登場人物についての説明があまりないので、私には遠い昔の話以上でも以下でありませんでした。

マレー蘭印紀行

金子光晴

中公文庫
(2017年10月5日発行)
戦前に、マレー半島とインドネシアを旅行した金子光晴の紀行文です。当時、ゴム農園の経営などで、日本人がジョホール州の田舎に住んでいたことが分かりました。昔のマレーシアの様子が描かれ、現在も残るもの、全くなくなってしまったこと、とても興味深く読ませてもらいました。

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